ルカ母からの手紙

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フロリダから参加してくれたルカの母から
メールが届きましたので、抜粋させて紹介させていただきます。

佐藤洋様 そして コーチ、スタッフ の皆様

無事にフロリダに帰りました。夢のように過ぎた夏の野球キャンプはアメリカに帰った今も昨日のように感じます。帰りの新幹線はバスの中で聞こえた笑い声もなくなり、淋しくなったルカが横に寄り添って、「キャンプ楽しかった。来年も行きたい。一人で日本に行きたい」と日本語で話して来ました。

今回のキャンプは本当に参加してよかったと思いました。ルカにとっては野球を通じて友達を作って、これからも連絡を取りあいたい友達が国境を越えて出来たことが忘れられない思い出だと思います。豊橋に着いて母に電話をすると、ルカは話したいと電話を取り、全部日本語で母と会話をしました。こんなにもキャンプで日本語を学んでいたのかと驚きました。キャンプ中は理解出来ているのか心配でしたが、帰りの電車で途中まで一緒だった中島くんがアメリカ4年オーストラリア2年の滞在生活経験があったと知り、ルカが英語で話しても理解してくれたそうで、お手伝いしてくれたようです。キャンプ中に分かっていたら通訳にと思ったのですが、彼もきっと人前だと恥ずかしかったのだと思います。ゆうやくんも沢山英語日本語を取り入れてコミュニケーションしてくれたそうで、スクール生の子供たちが積極的に助けてくれたようです。通訳機能の付いた小さいパソコンを持って来てくれた子もいたようです。そんな優しい接し方を見ていて、いつも監督から教えてもらっている「人を思いやる大切さ」が自然に出来ているところにとても感心、感激しました。子供たちは彼らなりのコミュニケーション力ですぐに友達になれて、ルカは私がいなくても楽しく生活出来ました。キャンプ後に話してくれたことを聞くと子供達でしかわからない内だけの冗談ややりとりがあり、とても楽しくやっていたのだなと思いました。一緒に入ることのないお風呂文化で育ったルカがみんなと一緒に入ることに抵抗があるかもと心配でしたが、全く溶け込んで何度も一緒にお風呂にはいって楽しく行動していることによかったと感じました。皆が受け入れてくれてくれたおかげでルカも溶け込みやすい環境になったのだなと子供たちに感激しました。

私にとっては今回のキャンプで沢山の日本の野球の悩みを聞いて、そしてそれを変えたいと言うスタッフそして佐藤さんの気持ちに触れたことがこれからもアメリカで野球をする子供を持つ親として、いつも心に持っていたい宝物になりました。あいさつの大切さを語るスピーチはあいさつの習慣性でなく、挨拶が大切な理由を教えて頂きました。アメリカと日本でも違う挨拶の習慣ですが、あいさつの大切さは国を超えて通じています。挨拶で自分がいると言う存在感を表し、また挨拶をした相手の存在を認めると言う挨拶の見方にも感激して、改めて挨拶のパワーの大切さを再発見しました。ルカのアメリカの監督も挨拶がないと「いたかわからなかったよ」と冗談で挨拶の大切さを伝えています。ルカも普段は練習前と練習後に監督のところにいって握手をするものの国が変わって習慣が変わるとできないことに気づきました。その代わり練習後に野球場に一礼することを友達から学びました。こっちに戻ってきて、なくなるかもしれない一礼。誰もしなくても続けれるように成長してくれたらいいなと思いました。

キャンプ中は多くのキャンプを支えるスタッフの方の優しさにも触れました。アメリカから来ていることに気遣ってくださるスタッフの方々は心から野球が好きで子供達がキャンプにいなくてもキャンプに来てお手伝いしてくださり、キャンプ中は多くの親や子供たちがわからないところで野球場の整備、テントお水などの用意、ビデオを撮って編集準備、などなどしてくださり、キャンプが楽しい思い出になるように支えてくださり、心から感謝しています。私もjbblの会員になってお手伝いしたくなるくらいにスタッフの方々の熱意に感動しました。キャンプに参加しなかったヨシュアの写真のことにも気をとめてくださり、心から感謝しています。最終日に来てくれたハーフの友人と英語で話をするヨシュアを見て、日本語が自由に話せたらきっともっとスタッフの方々と話をしたかったのではと感じました。こうして異文化での子供達の生活や適応能力を見て、私も親としてとても勉強になりました。高校の時に留学したことを思い出して、大人になる前に異文化で生活して自分を改めて発見、そしてアイデンティティの形成に重要な役割を果たすことが出来たことはは貴重で、キャンプは野球だけではない経験であったことを再確認しました。そして、高校になっても、大学にはいっても、キャンプに来て手伝ってくれる選手、佐藤さんを慕いお手伝いする彼達の熱意には話をしていて感心しました。そこには野球で培った野球以上のものがあり、ルカにも大人になる過程で野球を通じて学んで欲しいと思いました。若い時に是非アメリカにも遊びに来てほしいと思うほど、高校生大学生の選手には感心しました。佐藤さんのつくる環境で育ったスクール生だからなのですね。

今回の日本への帰国は大切な時間を共有した友達との絆は何年経っても距離が離れても変わらずに続くものだと改めて感じる旅になりました。沢山の出会いは人生の中あるものですが、途絶えてしまう出会いもあります。しかし、価値観の同じ心の出会いをして、特別な時間を共有した出会いは時間や距離を経て長く続くものです。こんな出会いは人生の中少ないですが、佐藤さんやスタッフ、コーチの皆様とのキャンプはこれからも私達の心の特別な場所に入れて大切にして行きたいと思います。ルカにとっても私にとっても日本の監督として尊敬できる佐藤監督そしてコーチスタッフの皆様の存在は忘れずに、いつかキャンプでのお礼の代わりにアメリカを案内出来たら嬉しいです。

本当に心から感謝しております。素敵な思い出をありがとうございます。一生の宝物です。
ついつい沢山感心感動したことがあり、メールが長くなってしまいました。心から感謝しています。
ありがとうございました!^_^またお会いできる日が近いことを希望しています。

2 thoughts on “ルカ母からの手紙

  1. 研究所 高橋

    私達スタッフにとって、とても嬉しいメールをありがとうございました。

    今回、ルカが言葉も違う異国の地のこのサマーキャンプに大きな勇気を持って参加してくれたこと、そしてそのルカを苦労しながらも一生懸命コミュニケーションとりながら、すぐに仲間として受け入れてくれた国内の子ども達、今回のキャンプは子ども達の限りない可能性を再確認することができました。

    日本少年野球研究所では子ども達が野球の技術が上手になるだけではなく、人への思いやりや優しさを持てる、本当の意味での強い人間になってくれることを望んでいます。
    それらをふまえて、このサマーキャンプでは、野球も生活面でも、子ども達が仲間と協力しながら自分自身で考えて行動できるような環境にしています。

    環境さえ整えば子ども達の可能性は無限大です。
    私達はその可能性を信じてこれからも子ども達を見守り続けて行きます。

    今回の皆様との出会いに感謝し、また来年少し大きくなった子ども達と再会できることを今から楽しみにしています。

  2. 佐藤洋 投稿作成者

    高橋さん

    大人には出来ないことを、子ども達は見せてくれました。
    親の在り方をルカ母からも学びました。
    子どもたちの持っているパワーには驚きです。
    ただ、せっかく持っているパワーを使えるようにするのも
    使えないようにするにも「環境」ひとつです。

    研究所では「野球さえうまければ」の考えは持っていません。
    その考えに賛同する方もいれば、反対の方もいます。
    そしてそれがどちらの考え方も
    自然な姿であることも研究所の皆さんは心得ています。

    子ども達は素直なので、日常の近くにいる大人の考え方や
    大人が発する言葉をそのまま表現してくれました。
    他人に対し、思いやりや優しさを持てる子ども
    自分のことで精一杯な子ども、様々です。

    おっしゃるとおり、本当の意味での強い人間は
    「思いやり・やさしさ」のある人間です。
    今後も研究所の活動にご協力ください。

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