子供の成長に合わせたトレーニング

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右の図は、子供の成長を表したものです。
年代によって成長する部分が違います。

ここで、注意してほしいのは、子供は大人をそのまま小さくしたわけではなく、年代によって成長している部分と、未発達な部分があるということです。

大人のトレーニングをそのまま子供に与えるのではなく、年代に応じて考えてあげる必要があります。

ここでは、わかりやすいように大きく3つに分けて子供の成長について説明していきます。

■ 3歳から小学生にかけて (神経系型の発達) 出生してから小学生にかけて、神経系型が大きく成長します。
脳と体を結びつける神経細胞が発達することで、子供は遊びや運動を通して、バランス感覚・リズム感・敏捷性などが発達していきます。
特に小学生高学年はゴールデンエイジと呼ばれ、様々な運動をどんどん吸収して自分のものにできてしまう時期です。

しかし、小学生低学年くらいまでは集中力が長続きせず、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴を 持っています。

それは、同じ動きばかりを繰り返すのではなく、多種多様な動きを通して、運動の神経回路を張り巡らせる必要があるからです。

この時期の様々な運動によって身についた神経回路は、多様であるほど年代が進んだ時に専門性の高い技術習得も早くなる傾向があると言われています。
(つまり、同じ運動ばかり繰り返すのではなく、いろんな動きをした方が子供の成長のために良いということです。子供が楽しく運動ができるように、鬼ごっこからボール遊び、なわとびなど、短時間でどんどん運動の種類を変化させてあげるといいでしょう。)

ここで注意してほしいのは、大人と違い、子供の体はまだ出来上がっていないということです。

そのため、あまり長時間の運動は、大人が考える以上に子供には厳しいものとなり、疲れから姿勢が崩れ、せっかく一番バランス感覚が伸びる時期なのに、逆に姿勢の崩れが悪いくせとなって身についてしまう危険性があります。

■ 中学生 (一般型の発達) 中学生の時期は、一般型(呼吸・循環器系・骨格)が大きく発達します。そのため、中学生くらいから、徐々に長い時間の練習に耐えられるようになっていきます。

しかし、身長が大きく伸びる時期のため、大きな負荷をかけるトレーニングは、骨、関節の過負荷につながり障害の原因になると言われています。

■ 高校生 (生殖器型の発達) 高校生になると、体も大人とほとんど変わらなくなり、長時間のトレーニングにも耐えられるようになります。
この頃は生殖器型の発達が著しく、男性ホルモンによって骨格筋が大きく成長するため、力強さ(パワー・瞬発力)をつける、筋力トレーニングや瞬発力系のトレーニングを積極的に行うのがいいとされています。

成果を早く求めすぎると

小学生の段階でも、長時間の反復練習によって、てっとり早く試合に勝てるようになるだろうと思います。
例えば、周りが80キロのボールしか投げられない中で、100キロ投げることができるとしたら勝ててしまうからです。

(ここでは、わかりやすいように選手の投げるボールのスピードを例に挙げています。)

しかし、小学生の時に100キロ投げられても、長時間の練習により、体のバランスが崩れ、筋肉が硬くなっているとしたら、そこから球速が伸び悩み、練習量が増えることにより、逆に故障しやすい体になってしまう可能性があります。

周りが120キロ、130キロに成長していく中で、「小学生の時は上手だったのにね」と言われる子は、小学生の時に頑張りすぎた子かもしれません。

一見遠回りのように見えても、子供の成長に合わせてあげることも大切です。

4 thoughts on “子供の成長に合わせたトレーニング

  1. 馬場

    こんばんは、今回の内容も深いこととして感じました。

    現場の経験者として、子供たちを見ると勝ってこの子達の笑顔が見たい!

    と、思い

    ついつい、勝ちに走ってしまいます。

    私もその一人です。

    そのたびに反省をして、修正をしながらの毎日です。

    私の日記には毎日

    「目的は子供たちに野球の本当の楽しさを伝える」

    と、書くようになりました。

    後、3ヵ月弱子供たちが大人になっても野球が好きであり続けるような

    「きっかけ」を創り出したいと思いコメントとさせていただきます。

  2. MFT佐藤

    勝負事は負けたら面白くないに決まっています。

    勝利至上主義は、子供たちの心と体に異常をきたします。
    大人の姿勢に狂いが生じます。
    子供たちから「助け合う心」を奪ってしまいます。

    全員野球で、心を合わせて「楽しく」そして「真剣に」戦うことができれば
    勝利の女神は微笑んでくれます。

    チームの方向が間違っていなければ、仮に勝てなくても
    勝った以上の学びをプレゼントしてくれています。

    ただし問題は、そのプレゼントの箱のリボンは
    すぐに開けることが出来ず、忘れた頃に自然に開けられます。

    中には「大きな大きな宝物」が入っています。

    その宝物を見た時に「どう感じるか」は
    その人の「心」の透明さによって変わってくるでしょう!

    いつまでも純粋でいたいですね♪

    そんなの綺麗ごとだよ!・・・
    そう思っている人には何も見せてくれません。

  3. 野球道

    身にしみるブログ内容とコメント感謝します。
    勝利至上主義は少年野球によく見かける光景ですね!勝った方が楽しいのは、みなさんも思ってる通り、「当たり前」ですね!親の立場から見ると、なんとかして勝って欲しい!勝たせてあげたい!って強く思ってしまうんですよね。勿論、親も楽しいですからね。

    今回、自分が子供だった頃の事をふと思い出しました。
    試合に勝ったり、優勝したりしたことは、確かに嬉しかったですね!
    勝つ前の過程を思い出すと、小さな頃から野球をして、野球が好きだったから、言われたり、思った通りに動けなくて、それが悔しくて独りでいつもバットかボールを持って練習していた事を思い出します。
    低学年の頃はなかなか体が思うように反応しなかったけど、学年が上がるにつれ、少しずつ体がついてくるようになってましたね。(途中でやりすぎて、野球肘になりましたが)

    今の自分の行動や言動を振り返ると、年齢・成長過程を飛ばして接している自分がいました。反省です。

    「野球が好き」だからもっと上手くなりたい!って思えるような環境を目指したいですね。頑張りすぎて、怪我させないように。自分の経験を生かして頑張ります。

  4. MFT佐藤

    野球道さん

    いつもありがとうございます。
    反省や自己否定ができるのは、持って生まれた才能です。
    出来ない人は生まれながらに持ち合わせていないので
    一生出来ませんから・・・(笑)

    「野球が大好き」

    そう思えれば子供には大きな力になります。
    好きなら自ら進んで練習します。
    出来なかったら悔しがります。
    出来たら次の段階に進みたくなります。

    それが「子供が成長した証」になるのではないでしょうか?

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