揺れの強さは阪神大震災の3.5倍
今回の東北地方太平洋沖地震では、津波による被害が大きかったため、
揺れによる被害の状況がどの程度だったのか、
ほとんど報道されていません。
しかし、宮城県栗原市で、気象庁が最大加速度2933ガル(注)だったと発表しています。
この数値は阪神大震災の848ガルに比べ、実に3.5倍になります。
(地震の規模は阪神の1000倍ほどのエネルギーといわれていますが、)
幸い死者・行方不明者ともにゼロだったようですが、
そのとてつもない揺れに、 栗原市の方は大変な恐怖心を抱いたのではないでしょうか?
加速度は建物にかかる力の大きさに比例しますので、
今回の地震では、津波の来なかった地域での、
揺れによる被害が少なかったことは、
阪神大震災の教訓が生かされているようにも思えます。
しかし、見落としてはならないことがあります。
積雪のある場所では、積もった雪の重さを考慮して構造計算をしています。
そのため、一般的に積雪地域の方が、地震に強い構造になっています。
(屋根に雪が積もっていない時期の場合)
栗原市は平野部から山間部にかけて広がっている市なので、
そのどの部分で特に強い揺れがあったのかわかりませんが、
積雪地域だったことで、建物が頑丈だったから被害が少なかったのかもしれません。
今回、揺れによる被害が少なかったからと過信するのではなく、
この震災を教訓として、
小・中学校をはじめとして基準を満たしていない建物の耐震化の促進して欲しいと願っています。
(被災地の復興支援がもちろん優先ですが…)
また、 専門家の方には今回の揺れの影響を分析・検証して情報を伝えて欲しいと思います。