「それが野球だ!」

メジャーリーグ・・・

テキサスレンジャース・ダルビッシュ投手が注目される中
昨日は、4回5失点で、最短でのKOとなり
2敗目を喫しました。

チームに迷惑をかけてしまった責任を感じ
ワシントン監督に謝ると
「そういう時もあるから、絶対に謝るな」と言われました。

ここにも文化や習慣の違いがあるのですが
実に「深いぃ~」話です。

日本の習慣
アメリカの習慣

どっちが正しいとか、どっちが間違っているとか
そんなちっぽけな問題ではありません。

文化・習慣・はたまた宗教に至るまで
その国、その地方、その町、その家で
異なって当たり前です。

私が初めて、ロサンゼルスにあるレジースミスさん(元巨人)の
ベースボールセンターを訪れた時、
ショッキングな光景を目の当たりにしました。

グランドには、日本の子ども達とアメリカの子ども達がいました。
日本の子ども達は、レジーさんの話を真剣に聞いていますが
アメリカの子ども達は、一部ですが、グランドに寝そべって話を聞いています。

これには、本当に驚き、レクチャーの内容よりも
そのことを、真っ先に質問した記憶があります(笑)

答えは「自己責任」でした。

聞く聞かないは、本人の自由であり
出来る出来ないは、自己責任。

自由の意味を、はき違えていた自分に気づき
アメリカの厳しさを感じた瞬間でもありました。

ただ、レジーさんは

「日本のように、その子どもを注意をして
道を逸れようとしている子どもを、
引き戻すことも、とても大切だと思う」

と、日本の文化を理解されていました。

 

レッスン中・・・

暴投をすると、必要以上に責任を感じ
「すみません」と慌てて謝る子どもが
実に多く存在し、そのたびに

「ぜんぜん気にしなくていいよ。
 安心して暴投していいから・・・」

これだけで体は自由に動き、手首が固まらず
暴投は激減します。

プロ野球選手でさえ、動揺します。
「思い切って投げろ」と声を掛けられ、立ち直ります。

マウンドに集まって声を掛けあったり
間を取ることで、流れを変えることも出来るのです。

私は中西太さんに
「命まで取られやせんのだから、思い切って振らんかい!」
と押し出され、勇気をもって打席に向かいました。

少年野球の現場は、荒れています。
否定的な言葉ばかりが飛び交い
子ども達の体が自由に動くはずもないし
当然、楽しくなんかありません。

「野球に失敗はつきもの」

ワシントン監督の
「謝るな」は、一人の人間として認めている証で
次の試合に、期待しているからこその言葉です。
チームに期待しない選手がいるはずもありません。

ワシントン監督は、最後に・・・

「それが野球だ!」

「結果を受け止め、そこから学び、前進するだけだ!」

と、コメントしました。

野球は失敗のスポーツです。
プレーで失敗したことに対し、子ども達に謝るように求めるのは
疑問を感じます。

ダルビッシュ投手は、良いチームに入り
良い指導者と出会えたことに感謝しているはずです。

体・心・技の環境が整っていれば
結果は間違いなくついてくるでしょう。

メジャーに行った選手は、口々に
「野球のやりやすい環境がある」
と、言うのも頷けます。

 

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7 thoughts on “「それが野球だ!」

  1. すばらしいお話ですね。

    わが子のチームの監督は、先日の試合の終盤に内野手をマウンドに集め、サードの選手(その日はゴロのエラー1、ファーストへの悪送球1)に向かって『お前はもうどうでもいいから、勝手にしろ。』と冷たく言い放ったそうです。
    得点も僅差の緊迫した試合でした。その試合は結局最終回に追加点を奪われ敗北しました。
    緊迫したいい試合をしてると思って応援していましたが、後からその話を聞いてがっかりしてしまいました。
    わざわざ試合を止めてまで、そんな嫌味みたいなことを選手に言いに行くなんて。言われた子の気持ちを考えると、かわいそうで情けなくなります。

    まだ創設三年目のチームなんですが、最初の頃は佐藤さんのように素敵な考え方の指導者だったのです。ここへ来て(二期生が三年生)結果が伴わないからか、ホームページのチーム方針にひかれて団員が急増し手が回らないからか、指導者の態度は激変してしまいました。

    あと少し、なんとか卒団まで踏ん張ってほしいと思いますが、多くの三年の子供たちは精神的にかなり追い詰められています。。。

  2. 佐藤洋 投稿作成者

    母さん

    コメントありがとうございます。

    暴言を吐く方々の言い訳のほとんどは
    その言葉は「叱咤激励」だそうで、支離滅裂です。

    私とて、素敵な考え方の持ち主とは言えません。
    言っていることと、やっていることが違う人間は
    たくさんいると思います。

    ただ、結果が伴わなくても、人数が多くて手が回らなくても
    「信念」のある方は、揺るぎません。
    気づいて、元に戻るといいですね。

    お子さんが卒団してから、話し合うべきですが
    一般的には、親の意見がまとまらず
    我慢する方がほとんどです。

    一番の解決策は、グランドに行かない事です。
    ただ皆さんは、誰一人実行する方はいません。
    私はその方法で、3年間見守りました。

    私の非協力的な行動は、最大の協力であることを
    知っている方は、少ないと思います。

  3. 小林貴

    ご無沙汰してます。 長野の小林です。コメント読ませてもらいました。的を得たコメントだと思います。実は私今は中学の子供達の練習を見させてもらっています。このあいだごく一部の選手達が、練習する気持ちが無いと言う事で練習からはずされ、別メニユをさせられる事になりました。先生に話して、先生この子達を私に見させて欲しいと言ったところ、 先生からお願いしますの返事をもらい、今その子達と別メニユの練習をしているところです。とにかく子供達の意識改革からと思い、 練習て何の為にするのか?から始めました。自分が上手くなりたい?力を付けたい?レギユラーになりたい?
    一人一人に聞きました。全員が上手くなりたい、力を付けたいと言いました。 だったら何をしなければ、いけないのか?と言いました。それには練習をするしかないだよと、 その子達を預かり、一周間が過ぎました。 やっと声が出る様になり練習に対し変化が見えて来た所です。結局練習に自信が無いんですね だから何をしたらいいのか解らない、解らないから動けない状態だったのです。 今彼らに言っている事は、グランドに入ったら全てが練習なんだよと言っています。少しずつですが、変化が見えて来ています。 先生には、逐一連絡を入れていますけど、 もう少し見させて欲しいと言って時間をもらいました。やる気が見えて来た所です。どう変化をするのか?楽しみです。

  4. ご丁寧なアドバイスありがとうございました。

    佐藤さんにコメントを読んで返信をつけていただいた事で、
    なんだか安心して勇気がわいた気がします。

    あと少し、子供の力を信じて見守りたいとおもいます。

  5. 佐藤洋 投稿作成者

    ◆小林貴さん◆
    ご指導、お疲れ様です。
    ちょっとしたことで「やる気」をなくし
    ちょっとしたことで「やる気」を出します。
    これからも、その「やる気」を引き出してあげてください。

    ◇母さん◇
    子ども達の、指導者に対する反応を観察してください。
    さまざまなケースがありますが、言葉が悪くても
    大人が嫌うほど、子どもは何も思っていない場合もあります。
    また大人から好評でも、子どもがダメだという逆もあります(^^;)
    「言葉観察」と同様に、「人間観察」もしてみてください。
    母さんの言葉通り、子どもの力を信じて
    見守ってあげてください。

  6. 司乃宮牧麻呂

    私は少年野球の指導者をしております。いつもブログを拝見して勇気を頂いています。
    今回のコメントは複雑の気持ちで拝見させていただきました。
    私は指導者でもあり親コーチでもあります。 今回コメントを拝見してコーチの立場と親の立場では随分叱咤激励に関して感じ方が違うものなんですかね。
    親は 自分の子供が叱咤激励をされているとそこまで言わなくてもって思います。何故そこまで・・・
    でも子供に聞いたら、叱咤激励されて頑張ろうって
    もしかしたら子供の心の方が強いかもって考えさせられました。

    次に指導者からの立場を書かしていただきます。
    子供達に叱咤激励をする時って、相手を見て言ってると思います。叱咤激励をして集中力が増子と逆に萎縮してしまう子と使い分けているんじゃないでしょうか。多分マウンドで言われた子供が一番わかっていると思いますけど。

    叱咤激励をするのって結構大変なんです。自分の子供でもない子を叱るのって・・・
    叱る指導と褒める指導ってありますが、褒める指導の方が楽なんです。
    でもチーム及び子供達に何とか強くなってほしいと思う人は情熱が生まれてくるものなんです。叱咤激励をしてくれるってありがたいって思うことができれば指導者を信頼できますよ。

    私は叱咤激励ができないことに悩んでいます。
    自分の子供に言えて自分の子供が萎縮しまうことが・・・
    親がいろいろ言いすぎると子供がかわいそうです。
    子供を信じて、チーム信じて頑張ってください。

  7. 佐藤洋 投稿作成者

    司乃宮牧麻呂さま

    叱咤激励は、「大声で励まして、奮い立たせること」であり
    子ども達が、その声によって、不安が消えたり
    勇気が湧いてくる言霊だと、私は勝手に解釈しています。

    怒鳴ると言う一時的な感情や、ストレス発散の大声と
    叱咤激励は別の物であり、子どもに対して「暴言」と
    受け取れるような言葉は、やはり使いたくありません。

    日本人の多くは、褒めることが苦手で
    怒鳴る人や、イライラする指導が一般的です。
    私の偏見ですが、怒鳴る必要のないことで怒鳴り
    注意すべき所を、逆に見逃しているような気がします。

    叱咤激励が出来ないことで悩んでいるとのことですが
    極論ですが、ニコニコ笑っているだけでも
    叱咤激励になりますので、ご安心ください。

    子どもは、弱いと思ってください。
    強い子もいますが、子どもは子どもです。
    いつも怒鳴られている子どもは
    「聞いていない子」「感じない子」になる傾向があり
    一見、強い子に見える可能性もありますので
    子どもに応じた判断が必要かと思います。

    自分達のチームの指導者が、どんな人間なのか
    子ども達は、よ~く観察しています。
    子ども達がダメなのではなく、自分がダメなんです。
    その駄目なことを、少しずつ変えようとして行くことが
    「自分磨き」であり、それは死ぬまで続きます。

    司乃宮牧麻呂さんがおっしゃる通りで
    親も、指導者も言い過ぎないことが大切ですね。
    私も注意しないと…(^^;)

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