【勝利至上主義がもたらす感覚のズレ】

各年代における故障のリスクを考える必要があります。
高校生になり「肩が痛い・肘が痛い」は、
高い確率で小・中学時代の再発でした。
中には、高校入学前に「手術」を経験している生徒も
少なくありませんでした。
驚いたのはそれが「勲章」のような認識を持っている事に驚きを隠せませんでした。

「私立高校なら、強豪校なら、甲子園を目指すなら仕方がない」
そんな驚くような考えが存在しています。

子どもたちの体を守れない要因に
「勝利至上主義」が見え隠れします。

MLBやNPBの身体が出来上がっている選手でさえ
先発投手の球数は「100球」が目安となっているのに、
まだまだ骨の成長が止まっていない小さな体、
細い腕の小・中学生が勝利を優先するあまりに、
特に能力の高い選手に負担をかけて
故障を発生させるケースが少なくありません。
幸い球数制限が導入され、子どもたちの体を守ろうとする方向性は素晴らしいと思います。

高校生以上のアマチュアの世界も、
「継投」に大きく舵を切るチームも増えて来ました。
しかし甲子園の大会を見ると、タイブレークまで
1人で150球前後を投げさせ、それに対して報道機関も                「1人で投げ抜いた」「その姿に感動した」などを
目の当たりにするたびに、日本独特の美学に戸惑いを隠せません。           

将来ある生徒を故障させないで次のステップ送り出す。
仮に高校で野球を辞める生徒に対しても、
コンディショニングにおける教育を指導者が示すことは、今後の野球界にとっては必要ではないでしょうか?                  

勝利を目指す事はスポーツにおいては当然のことです。
しかし、未成年に対する勝利の目指し方には、問題が山積しています!