まっすぐ普通に立つことの難しさ
本文は、ベースボールクリニックに掲載した内容です。(2002年1月号)
みなさん、まっすぐ普通に立ってみてください。
そんなこと簡単だと思うでしょう。
でも、微動だにしないでピタッと立ち続ける事ができますか?集中してみると、微妙に体がぶれていることがわかると思います。
精密な装置で、立っているときの重心の動きを測定すると、一般の人に比べてスポーツの一流選手は、重心の動きがほとんどないそうです。
一人一人が調整することのできるブレの大きさが異なるために、まっすぐ立つという単純な動作でも大きな違いが生じているのです。
片足ずつ立ち左右のバランスを見る
写真のように、第3者に目印としてバットか棒を顔の中心に置いてもらった状態で、ゆっくり片足ずつ立ってみてください。
頭の位置が左右にずれるはずです。
はじめはこのズレが大きかったり、フラフラ動いて静止できないかもしれません。
でも練習しているうちに左右のブレを少なくすることができます。
足の親指の付け根の拇指球(ぼしきゅう図参照)と呼ばれるところに重心を乗せる事ができると左右のブレは少なくなります。
いきなり拇指球を意識することが難しいでしょうから、最初は、内側半分だけ、またはつま先側半分だけ板の上に乗り、バランスをとってみてください。
(拇指球に重心を乗せるということは、かかとを浮かせたり、外側を浮かせたりすることではないので注意してください。)
内側半分に乗る
つま先側半分に乗る
野球の動きは、「投げる」「打つ」「走る」どの動作も、重心移動と回転から成り立っています。
重心移動の際にも、回転の時の軸としても、この拇指球は大変重要な役割を占めます。
本当の意味での正しい体の使い方を身につけるためにも、拇指球でしっかり立てるように練習しておいてください。