トップのポイント (バッティング編)
本文は、ベースボールクリニックに掲載した内容です。(2002年8月号)

● 軸足に載せるポイント
正しいトップの形を作るためには、その前の段階で右足への体重の乗り方が重要なポイントとなります。
一人一人の感覚は違いますが、漠然と体重の乗り方を意識するよりも、右足の中でもポイントを絞って、そのポイントへの力のかかり方に意識を集中させることで、いつも一定した乗り方を身につけることができるようになります。
意識するポイントの良い例として、写真の3つの○をあげておきます(足の付け根のやや内側、ひざのやや内側、足の親指の付け根)。
お尻やひざの裏側、かかとに体重が乗っている感覚があるときは、力が逃げてしまい、いいトップに入りにくくなります。
重心の位置を意識する時に、ポイントを大きな○で意識するよりも、できるだけ小さな1点に集中するように意識することができれば、フォームの誤差が少なくなり、スイングが安定します。
素振りやティーバッティングの時に、自分の意識をできるだけ小さな1点に集中しながら行うことで、スイングの正確性が高まると思います。
こういった意識の持ち方も参考にして下さい。

足が着地した瞬間の下半身の形で重要なポイントは、右バッターの場合左足のひざの向きがほんのわずかに内側を向くことです。
そして、かかとは若干上がり気味になります(実際のスイングの時にはかかとが浮くのは一瞬です)。
ひざが開かないことによって、力をためる事ができます。
体の開き

肩と腰が投手に真っすぐ
向いている形

少し肩を入れた形

体が開いている形
上の写真は、体の向きについてわかりやすいように肩と腰に棒を当ててその向きを示しています。
一般的には肩と腰が投手に真っすぐに向いているか、少し肩を入れた形が基本です。体が開くと、下半身(特にひざ)も開きやすいために、力強いスイングは難しくなります。
(高度な技術があれば開いても強いスイングができますが、一般的ではないのでここでは省略します。)
肩がやや入った形の場合、右手の位置が背中より後ろ過ぎると、バットの出が遅れますので、注意が必要です。実際には個人差がありますので、自分に一番適した形を身につけることが必要です。
一人一人自分に適した形が微妙に違いますので、自分の形を探るための練習方法を次のページで紹介します。