研究会で話し合った内容を公開致します。
長文になりますが、正しい正しくないの論議ではなく
自分磨きにご活用頂けましたら幸いです。
■日 時:2014年9月27日(土)
■テーマ:「自立」
■内容
・今までの経験から、子供たちの自主自立を邪魔するのは親!
・少年野球をやると自立する?
⇒変わらない。大人のこま。受け身。言われたことに、返事をするだけ。
・(あいさつについて、高校野球でのある一人の選手の行動)
その選手が、短時間のうちに、3回もあいさつをしてくれた。違和感。
顔を見てない?一度あいさつしていることも覚えていない?
指導者に、誰にでもあいさつするように言われている。怒られたくない?
言わされている感を強く感じた。
⇒この行動は、考える必要あり。
・(ある少年野球チームの話①)
親は極力顔を出せという方針。親がグランド整備。
いつも大勢の親がいて、子供たちのために色々とやってあげている。
⇒ この状況を、その子供たちはどう思っているのか。当たり前のこと?
家庭で、子供と会話をして、このことを聞くことも大切だと感じた。
・指導者や親が、どういう目的で、色々と子供たちのためにやっているのか、
子供たちに伝わっているか?
⇒子供たちに真意を伝え、理解させないと、子供たちが自立できない方向に
持っていってしまう。
・グランド整備を一所懸命に行う少年野球チームもあるが、やらされている感がある。
怒られるから、グランド整備をしている? 果たして自立へつながるのか?
・(ある少年野球チームの話②)
試合での過剰なまでの指示。 ライトとレフトとの両選手の近くに、
コーチがつきっきりで指示。
自分の判断をさせてもらえない。指示が当たり前。 自立という観点から
考えるとどうか・・・
そのチームは、子供だけでなく、指導者も自立できていない!
指導者自身が、子供たちの親の車で送り迎え。当たり前?
指導者は送り迎えをしてもらうが、御礼のあいさつはパフォーマンス。
⇒こんな状況の為、野球をやりたい子供たちが、チームに入ってこないのが実情。
そのチームの親たちはどう感じているのか?
⇒指導者が試合中にうるさいといった程度の感覚。このマヒした感覚は問題と感じた。
・試合中、守備で打球が来ても、「ボールが行ったぞ!」という声に反応。
子供たちの耳は、ベンチの方(ベンチからの指示待ち)
・親も、試合中に指示を出してしまう。少年野球はそういうものという考え。
結果だけも求める。
⇒指導者だけでなく、親も同じ考え。
⇒その結果、自然と?必然的に?チームの子供たちの数が、
少なくなってきている。
⇒子供たちの人数がいるうちに、指導者や親の考えを変えて、
減少に歯止めをかけないと、チーム自体が消滅してしまう。
指導者・親の自立。子供だけでなく、親の自立も必要。
・(少年野球チームでのある保護者の子供たちを助ける行い)
遅刻しても、子供の逃げ道を作ってやる。
「遅刻したら、おれが迎えに行ってやるよ!」と、子供たちに伝えたところ、
実際に5~6人は、そういた逃げ道を求めていた子がいた。
そうした子供たちの為の行いに対して、反感を持つ周りの親もいたが、
自分が怒られ役になった。
時間がかかる営みであり、2~3年では短い。また指導者や親が代わると、また戻り。
・親や大人がかかわってくると、子供たち離れていく。
指導者に、環境を変えるという営みを理解してもらいたかったが、できず。
その結果、チームの子供たちの数は大幅減少。
・(野球のミニゲームでのある光景)
今では大人がピッチャーをやったが、全て子供たちだけでゲームをしたところ・・・
⇒今までよりも、子供たちが元気になった。
今まで大人しかった子が、声を出すようになった。
子供たち同士の横のつながりもできた。
大人がいない、かかわらない方が、子供は成長する。
子供たちだけの空間だと、子供は自立する。
・少年野球で、子供がピッチャーをしている。肩を痛めていた時の実際の話。
試合で満塁のピンチの時、自ら、監督に肩の痛みを告げて、ピッチャーを交代。
⇒自立した勇気ある行動。
しかし、指導者は「意気地なし」との発言。
⇒子供の勇気ある行動を認めてやるべき。子供には未来がある。
・指導者は、子供が痛めているのを承知で、でも投げろ!
痛めているのを知っていて、知らんふり。
・野球に限らず、ミニバスでも、同様の実態ある。
野球 肘や肩を痛めるの当たり前?
ミニバス 足首を痛めるの当たり前?
⇒現実は・・・(専門家が治療した経験から見て)
まじめな子ほど、言えない。
周りや仲間を考えて、無理をしてしまう。
治療に同伴した親に、無理をさせないように伝えることが大切。
小学生、中学生は、無理をする時期ではない。体ができていない成長期。
大人が見守り、受け入れることが必要。
⇒小学校・中学校で無理をすると、必ずその先の高校でケガをする。
ピッチャーの試合50球制限といっても、試合前の準備(キャッチボール等)を
含めると、100球は投げている。
・(中学生の一人の将来有望なピッチャーの話)
治療に来たその子に、仮病を使えとアドバイス。
親は、頑張っているのにと理解できず、それでも言葉を選びながら説得。
その後、その子は、高校でケガなく、素晴らしい活躍をした。
子供が正直に言える環境を作ることが大事。
大人の自立が必要。
子供は環境で変わる。大人が環境を作ってやる。
しかし、大人が子供に依存している。
・(小中高と野球をして、今も続けている現役学生の目線から)
大学生1年生、合宿の際、身の回りの整理や食事等の後片付けができない。
行動を見る限り、自立していないように感じる。
小中高の時に何をしてきたのかが、大切。
・大人がどう環境をつくるか。
勝利至上主義? おいしいお酒のため?
チームとして、何を目指すのか?
・親のプレッシャーから、チーム方針が変わってしまったチームもあると思う。
今年は勝てそうだからと、チーム方針が変わってしまうことも・・・
・親の思いは・・・
⇒子供が成長、自立して、レギュラーになれて、チームも勝てて・・・と、
あらゆるものを求める。
チーム方針は変わらないが、親の思いが変わってしまう・・・
・(子供が少年野球チームに所属していた時の話)
少年野球に子供が入った動機は、地域でのコミュニケーション、仲間づくり
最初はよかったが、5,6年生の時、チーム方針が変わった。
試合ばかりで、試合に出られず、何もしないで帰ってくる。
⇒子供が楽しく野球をやるには・・・
こういう環境だと、子供が頑張ってうまくなるしかないのか、
できることなら、何とかしてやりたいという葛藤があった。
子供に、何故うまくできないと言ってしまったことも・・・
チーム環境が変わると、親の思いや考えも変わる。
チームが、野球の上手い下手だけを見るのではなく、
それ以外の視点で子供たちを見守り、成長を褒めて認めてやることが必要。
・子供の自立とは・・・
小学生、中学生の自立とはどの程度なのか。
中学生に技術を教え、指導していくと、個人差はあるが、
自立ではなく受け身になっていく。
どこまで指導していいのか考えることも・・・
⇒あまり自立を押し付けることなく、見守る。
生きている間はずっと、自立と向き合っていくことになる。
小学生だからと、自立の度合いはなく、個々に違うと考える。
大人が、子供たちに自立するきかっけを与えてやる。
大人が、自立するきかっけを奪っている。
子供に経験・体験をさせて、気づき・きかっけの場を与えてやることが必要。
子供を自立させたいなら、親が自律すること。
親が自らをコントロールできず、子供にかかわり過ぎる。
子供の自立とは、「自分で考えて、自分で行動すること」
お腹が空いている子に魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教えてやる。
魚を主食にする熊は、子熊に泳ぎ方を教える。子供が自分自身で生きていくために。
―――その他多数の意見がありました――――――――――
・息子に対して、母親が世話をかけすぎる。
・母親が、面倒を見過ぎ。子供へのかかわり方が自立へ影響。
・子供たちだけで、楽しくやる。(自分が子供の時は、野球を楽しくやっていた)
大人が道筋は立ててやるが、子供たちにやらせる。
大人が子供を信頼して、勇気を与える。
・失敗OK。みんな失敗している。失敗を恐れず、積極的に対応してほしい。
チャレンジすることをしてほしい。
・(自分の子供は)幸い、のびのびと野球をやっている。
他の子供たちの環境や現状を聞くと、大変と強く感じる。
たまに口出ししてしまうことも・・・
⇒(他の方からのコメント)たまに口にしてしまうと、自分で自覚しわかっていることが大切。
以上
NPO法人日本少年野球研究所
齋藤 彰宏