月別アーカイブ: 2010年4月

時代とともに変化

スクールにやってくる子供たち☆
野球を通じて、出会える事に不思議な想いと
感謝の気持ちが自然に込み上げてきます。

その一方で
「もしかしたらこの子に会うのは今日が最後かも?」
そう思うと、責任の重さも痛感しています。

今できること・・・

それは、私のありのままの姿で
「子供に真剣に向き合うこと」です。
これからも一人一人の出会いを大切にしていきたいと思います。

さて、今日はバッティングのお話です。

「肩・腰・膝は水平に回りなさい!」
「平行に回りなさい!」
「バットの先は落ちてはダメ!」

そう指導されている子供が実に多く驚かされます。
感覚的には、よ~くわかるのですが

実際はキャッチャーよりの肩が落ちないと
ベルトから下あたりのボールは打てません。

その辺を指導者の皆さんには
ご一考いただければと思います。

低ければ低いほど肩とバットの先は下がります。
難しい感覚ですが、上からボールを叩きます。
しかし、常に平行に回るのは不可能です。

肩とバットのヘッドは落ちても良いのです。
ただし体の軸とスイングの軌道は90度を維持します。

野球の技術は感覚の話が多いので、ある意味矛盾だらけです(^^;)

見抜く・・・

プロ野球の世界は結果が全てです。
しかし、少年野球は決してそうではありません。

技術的な例をあげると「空振り」したから悪いスイング!
「ヒット」を打ったから良いスイング!
決してそうではありません。

何かを掴もうとした時に・・・
何かを変えようとした時に・・・
「空振り」をすることが多々あります。

そんな時に

「大丈夫!今のは良いスイングだよ!」
と言ってあげると子供は大きく変化します。

ただ、何が良くて何が悪いかは勉強する必要があります。

フライを打ち上げると怒られます。
「フライなんて打ち上げてるんじゃねぇ~」

しかし、バットがボールに入る角度がもう少し違っていれば
素晴らしい打球に変わります。

むしろ「ゴロを打て~!」と言ってる方が
ボールの頭ばかり打つわけですから
手首を早く返してこねてしまったり
ヘッドが投手方向に出なかったり
スイングの軌道に変なクセがついたり
捕手寄りの肩が早く突っ込んで開いたり・・・

その弊害がたくさんあることを知っていて
「ゴロを打て~!」と指導しているのでしょうか?

ただし、本質を充分に理解したうえでの指導であれば
私がとやかく言うべき問題ではありません。

スクールに来る初対面の子供のスイングを見て
「いつもゴロを打てって言われてるの?」
と聞くと、ほとんどの子がうなづきます(^^;)

「もったいないなぁ~」と思える子も少なくありません。

熱い応援・・・(^^;)

ツꀀ

「佐藤さんは変わってるよね~」
「普通じゃないよねぇ~」

そう言われます(笑)

性格上、「普通」は面白くありません。
ちょっと変わってるくらいが「楽しい」と思います。

今日も変わってるお話です。

私は、親が度を越えて関わり過ぎるのは好きではありません。
あくまで「度を越えた」場合です。

そこにはいろいろな立場による関わりがあるので
一概にどこからどこまでが「関わり過ぎ」かは図れませんが
それぞれにおいて一定の距離が必要だと思います。

なぜなら親は「応援」と称して「イライラ」します。
それが子供に伝わります。
決して良いことではありません。

「応援とは?」

1. 力を貸して助けること。また、その助け。
2. 競技・試合などで、声援や拍手を送って選手やチームを励ますこと。

皆さんのチームの応援は「イライラ」が募っていませんか?
子供たちに対して「不平不満」を持ちながら試合を観ていませんか?

応援には「助ける」という意味合いがあるのに
足を引っ張っていませんか?

まさしく少年野球界の現状がここにも現れています。
しかし、ほとんどの方が「うちのチームはしっかり出来ている」
そう思っているので、なかなか気がつきません。

私が少年野球を観戦する機会はそう多くはありませんが
試合場に足を運ぶと、まず最初に応援席に目が行きます。
そこでだいたい大人の「色」や「こだわり」が見えてきます。

高校野球で言えば応援する生徒の雰囲気を見て
何となく校風や学力レベルが見えてくるのと同じです(笑)

次に指導者に目が行きます。
ユニホームの着こなし
みだしなみ
声の掛け方
体からみなぎるエネルギー

そこまでで子供たちの「心の中」が見えてきます。
そして子供たちの動きを見ると高い確率で一致します。

では何がその目安になるかと言うと・・・

大人は「イライラ」しているかいないか?
子供は「楽しんで」いるかいないか?

ただこれだけです。

以前、ブログで取り上げましたが
埼玉スクールで子供たちに質問しました。

「親に練習や試合を見に来て欲しい人・・・?」
ほとんど手を挙げません。

「じゃぁ、来て欲しくない人・・・?」
ほとんどの子供が手を挙げました。

来て欲しくない理由は

「うるさい」
「集中できない」
「説教される」・・・でした。

子供にしてみると「ありがた迷惑」なんです。

大人は「指導」とか「応援」と思っていても
子供の立場からすると「説教」とか「観られたくない」と
思っている子供が少なくありません。

「イライラ」すると迷路に入り込み
出口がみつからなくなってしまいます。

正しい応援を目指しませんか?

子供の成長に合わせたトレーニング

ツꀀ
右の図は、子供の成長を表したものです。
年代によって成長する部分が違います。

ここで、注意してほしいのは、子供は大人をそのまま小さくしたわけではなく、年代によって成長している部分と、未発達な部分があるということです。

大人のトレーニングをそのまま子供に与えるのではなく、年代に応じて考えてあげる必要があります。

ここでは、わかりやすいように大きく3つに分けて子供の成長について説明していきます。

■ 3歳から小学生にかけて (神経系型の発達) 出生してから小学生にかけて、神経系型が大きく成長します。
脳と体を結びつける神経細胞が発達することで、子供は遊びや運動を通して、バランス感覚・リズム感・敏捷性などが発達していきます。
特に小学生高学年はゴールデンエイジと呼ばれ、様々な運動をどんどん吸収して自分のものにできてしまう時期です。

しかし、小学生低学年くらいまでは集中力が長続きせず、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴を 持っています。

それは、同じ動きばかりを繰り返すのではなく、多種多様な動きを通して、運動の神経回路を張り巡らせる必要があるからです。

この時期の様々な運動によって身についた神経回路は、多様であるほど年代が進んだ時に専門性の高い技術習得も早くなる傾向があると言われています。
(つまり、同じ運動ばかり繰り返すのではなく、いろんな動きをした方が子供の成長のために良いということです。子供が楽しく運動ができるように、鬼ごっこからボール遊び、なわとびなど、短時間でどんどん運動の種類を変化させてあげるといいでしょう。)

ここで注意してほしいのは、大人と違い、子供の体はまだ出来上がっていないということです。

そのため、あまり長時間の運動は、大人が考える以上に子供には厳しいものとなり、疲れから姿勢が崩れ、せっかく一番バランス感覚が伸びる時期なのに、逆に姿勢の崩れが悪いくせとなって身についてしまう危険性があります。

■ 中学生 (一般型の発達) 中学生の時期は、一般型(呼吸・循環器系・骨格)が大きく発達します。そのため、中学生くらいから、徐々に長い時間の練習に耐えられるようになっていきます。

しかし、身長が大きく伸びる時期のため、大きな負荷をかけるトレーニングは、骨、関節の過負荷につながり障害の原因になると言われています。

■ 高校生 (生殖器型の発達) 高校生になると、体も大人とほとんど変わらなくなり、長時間のトレーニングにも耐えられるようになります。
この頃は生殖器型の発達が著しく、男性ホルモンによって骨格筋が大きく成長するため、力強さ(パワー・瞬発力)をつける、筋力トレーニングや瞬発力系のトレーニングを積極的に行うのがいいとされています。

成果を早く求めすぎると

小学生の段階でも、長時間の反復練習によって、てっとり早く試合に勝てるようになるだろうと思います。
例えば、周りが80キロのボールしか投げられない中で、100キロ投げることができるとしたら勝ててしまうからです。

(ここでは、わかりやすいように選手の投げるボールのスピードを例に挙げています。)

しかし、小学生の時に100キロ投げられても、長時間の練習により、体のバランスが崩れ、筋肉が硬くなっているとしたら、そこから球速が伸び悩み、練習量が増えることにより、逆に故障しやすい体になってしまう可能性があります。

周りが120キロ、130キロに成長していく中で、「小学生の時は上手だったのにね」と言われる子は、小学生の時に頑張りすぎた子かもしれません。

一見遠回りのように見えても、子供の成長に合わせてあげることも大切です。

失敗したらどうしよう・・・(^^;)

最近、「小さな幸せ」が増えてきました。

「ありがとうございます」
「感謝しています」

そう言われると「いやいやこちらこそ」と思っているので
照れくさいのですが、内心ではプラスの言霊に勇気をいただいています。

「プラスの発想」
「プラスの行動」

子供たちの成長には「プラスとマイナスの差し引きゼロ」ではなく
プラスの言霊に満ち溢れた方が良いに決まっています。

だから心の底から野球を楽しめる環境が必要なのです。

「失敗したらどうしよう?」

可愛そうに、少年野球に関わっている子供たちが
いつもこの心境に追い込まれてしまっているのです。

その環境を誰が作ったのでしょう?
それは大人です!

その人達に「なぜそうさせるのですか?」
と聞けば、答えは必ず

「子供のため!」
「苦しさを乗り越えさせるため!」と力説します。

そんな人が本当に多いのです。

乗り越えるためには時期があるし
「本当に乗り越えていない人」ほど
その環境を作って、子供たちから「楽しさ」を奪っているのです。

そのことに気がついていないのです。

大人だって失敗の連続です。
子供たちは、これからたくさんの事を学ぶ段階なのに

「失敗したらどうしよう?」という心理状態を作っているなら
その人たちは指導者には向きません。

「失敗は指導者の責任!」
「成功は子供たちのおかげ!」

そんな簡単な足し算すら見失っています。