月別アーカイブ: 2015年2月

伝える難しさ・・・

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指導者が投げかけた言葉を
子どもたちはどのくらい理解しているでしょうか?

個人差はあるものの、ほとんど理解せず

「はいっ!」

と、返事をしているように思えてなりません。

怒られ慣れしている教わる側の子どもたちは
注意されれば行動に移しますが

「怒られるから・・・」
「うるさいから・・・」

の心で動き出します。

自らの意思で行動しないので
技術も心も、吸収できにくい環境です。

この環境では、心はくすんだままで
指導と呼べるものにはなりません。

一方、教える側は
答えばかりを教え続けます。

「悪循環」

信頼関係をどう築くのか?
気づいてもらうには?

答えがわかっているだけに
自分の未熟さに愕然としています。

人間がやるスポーツだからこそ

「急がば回れ」

もう一度、「育てる」と言う言葉の意味合いを
考えてみたいと思います。

「きっかけ塾」開催のお知らせ

「子どもの自主性を!」と言ってもまだ未熟な「自我」では
判断がキチンと出来ないこともあります。
かといって「こういう時はこうしなさい!」と言うのは、
判断基準の一つ(超自我)を育てるには有効ですが、
それが強烈すぎては子どもの「自我」を萎縮させてしまい、
自主的に自分で考える力を削ぐこともあります。
また、野球は楽しいなあ〜気持ち良いなあ〜と思える本能の部分(イド)には
エネルギーがたくさん詰まっているのですが、厳しくこれを抑え込んでしまうと、
土壇場での精神力が弱くなることにもなりかねません。
このように、心理学用語である「自我」「超自我」「イド」という
三つの部分が心の中にはあって、それがどんな風に発達しているか?
スポーツ指導だけではなく、子育てや職場でも役立つ心理学を学びます。
ご多忙中のこととは存じますが、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

◇日 時:平成27年3月14日(土)18:30~20:30

◇テ-マ:「心を育てる仕組み」

◇対 象:大人 (野球以外の指導者・保護者可)

◇会 場:行田市総合体育館グリーンアリーナ研修室2F
〒361-0061埼玉県行田市和田1242

◇指 導:武野 顕吾 氏
臨床心理士。
スポーツ選手などの「メンタル面の能力向上」を目指すため、
臨床心理学の手法を用いたサポートを行っている。
野球をはじめ、サッカー、ゴルフ、陸上、その他の競技や、
会社経営者なども含む様々な分野で「何かを極めようとする人々」を対象とし、
一対一の個人面接、集団に対するワークショップの実施、など
多角的なアプローチをしている。
現在もソフトバンクホークス・内川聖一選手と個人契約を結んでいる。

◇参加料:大人4,000円

◇申込み:jbbl@mft.jp 日本少年野球研究所まで

◇ その他:ビデオ撮影はご遠慮ください。
室内履きを持参してください。

矢印の向け方・・・

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「親はなくても 子は育つが
子がいないと 親は育たない」

「指導者がいなくても 選手は育つが
選手がいなければ 指導者は育たない」

 

指導者がいないから
指導者が何も教えないから
だから子どもが上手にならない・・・

その考えは捨てて欲しい。

まずは子どもの存在に感謝しましょう!
子どもに対して、大人に感謝や尊敬を求めるのではなく
(子ども⇒大人)

その矢印を反対に向けましょう!
(大人⇒子ども)

まずは、ここからスタートです。

子ども(選手・社員)が失敗したら
矢印を自分に向け

成功したら
矢印を子どもに向けましょう!

そこからしか「ホンモノの信頼」は
生まれないし、育ちません。

大人の傲慢から生まれる信頼は
ほとんど一方通行です!!!

悲しい出来事・・・

先日、大きな「きっかけ」をいただき続けている
恩人の御子息がお亡くなりになり
告別式に参列させていただきました。

中学生時にはスクール生に
そしてロサンゼルスのサマーキャンプにも
一緒に参加しました。

その後、逞しく成長した姿を見かけるたびに
目を細めました。

親の深い愛情と、悲しみを受け止めようと
苦しまれているその姿に
かける言葉がみつかりませんでした。

子どもは元気でいてくれるだけで良いと
心に突き刺さった悲しい出来事・・・

謹んでご冥福をお祈り致します。

第5回研究会報告

以下が、研究会での意見交換内容となります。
マイナスの言葉や対応についての意見が活発にでました。

★「あいさつしろ」
命令形はマイナスの言葉となる。
 あいさつするという、プラスの行動のはずが、マイナスになる。
 怒られるから、あいさつをするといったように・・・

・卒業した子どもが久しぶりに顔を出した時、その子の行動を見ていると、
 その子があいさつに行くコーチと行かないコーチがいた。
 その差は何か? 

・ある時、私の目をみながら挨拶をした子どもがいた。
 聞いてみると、バレーボールの指導者の方が、自ら率先して挨拶をしていたとのこと。
 その行動をみて、その子もあいさつをするように心掛けていたらしい。

・ある少年野球チームの代表が、子供たちがあいさつをしないと、常に言っていた。
 しかし、その代表が、自らあいさつをする姿を見たことがない。実態は、そんな具合。

・全体でのあいさつ。言わせているだけ。言わされているだけ。
 子供は、後者になってしまう。
 「大人に会ったら、あいさつをしろ」
 「大人に会ったら、おはようございますを言え」
 まるで台本があるかのよう・・・
 だから、想定外の対応ができない。会話が続かないし、会話にならない。
 あいさつが、パフォーマンスになってしまう。

・あいさつも、対象の子どもの性格によるし、違ってくる。
 子供が親と二人でいて、親があいさつをしたら、「自分はあいさつをしなくていい。」と
 いう思いになり、あいさつをしない子もいる。
・登下校の近所の子供で、こちらからあいさつをしても、あいさつをしない子がいた。
 こちらは、いつもあいさつをしていた。そしたら、ある時その子が「ただいま!」と
 あいさつをしてくれた。
 内気な子や恥かしがりやの子などは、なかなかあいさつできないと思う。

・あいさつの意味合い。
 「自分はここにいるよ!」という存在を示すシグナル。

・思春期になると、あいさつを一時的にしなくなる子も・・・
 はずがしい。知り合いの大人からあいさつをされるのが嫌になるなど。

・小学校の時からよく知っている子がいたが、徐々にあいさつを返さなくなった。
 街であっても、こちらはあいさつをし続けた
 あからさまに嫌な顔をすることも多々あったが、続けた。
 そしたら、ある時から見かけると、その子からあいさつをしてくれた。
 今では、あいさつをしなかったのが嘘のよう。

・あいさつは、自己アピール。

・大人でも、あいさつをしない人はいる。
 会社で、朝あいさつしても返答なし。あいさつを続け、大人の対応をとっている。

・あいさつで、大人でも傷つくことがある。
 経験談だが、20代後半の時、上の立場の人にあいさつをしたが、相当時間が経ってから
 「お前いたの?」「声が小さかったから、気付かなかったよ。」と言われた。
 聞こえる声の大きさで言ったはずだが、存在を否定、存在価値を認めてもらえていないと感じた。
 相手にしたら、何気ない一言(「お前いたの?」かもしれないが、エスカレーションすると、
いじめにつながる。

・野球の世界でも、あいさつをしても、返答せず、顔をそむけて知らんふりをされることが。
 その方は、そういう対応をされても、常にあいさつを続けたとのこと。
 「あいさつは、1日24時間のうち、1秒か2秒。俺はあいさつをし続ける。やめたら、
 相手と同じ土俵になってしまう。」
 今では、過去にそういったことが本当にあったのかと思うくらい、良好な関係となっている。

・子供の場合、あいさつのタイミングの問題もあると思う。あいさつをしそびれた。
 最初のタイミングであいさつができなくて、その後もあいさつができなくなってしまった
 ということも・・・
 子供があいさつできないことを悪いと決めつけることはない。

・少年野球で、朝来た子供たち一人ずつに、顔を合わせてあいさつをすると、
 あいさつをしていない子がわかる。
 集合した時に、あいさつをしていない子には、あいさつをする機会を与える。自己申告を待つ。
 大人が気を使ってやることが必要。

★「集中しろ。集中しろ」「集中力がないから、負けた」
・集中しろと言われると、逆に気持ちが分散する。
 具体的に集中できるきっかけを与えてやる。

★「何で、できないの?」
・これは禁句。
 言い方を変える。「どうやったら、できると思う。」と、問いかける。
 子供に考える時間を与える。そうすると、子供は考える。

★「何でそうするんだ!」「何で×××」はNGワード。
●「何でだと思う?」は、プラス。
・大人の思いで、大人で判断したら、簡単に答えは導き出せる。
 子供に考えさせたら、何倍も時間を要して歯がゆいが、我慢して見守ることが必要。
 子供の成長につながる。

★「どうせ無理」
・子供は傷つく。
・子供の頃に言われて、大人になっても、トラウマになっている言葉がある。
・あの言葉がなかったら、自分の人生変わったかも・・・ 
 大人の一言は重い。大人は、言葉の重みを知るべき。
・子供が、たとえ不得意で上手でなくても、見守る。プラスの言葉をかけてやる。

★親が、子供がいる前で、「うちの子は、へたなんで・・・」と言うのをよく耳にする。
 へりくだりや冗談かもしれないが、子供にとってはマイナスの言葉。

★「こいつ、使えない」
・バスケットボールの試合で、指導者が、「2年は使えないから、1年を出す」と言って、
 選手を途中交代させた。交代理由も告げられず、改善点もわからず、子供たちにとっては不満。
 悪循環。指導者の伝えたいことが伝わっていない。
 プラス・マイナス以前に、子供は、指導者が何を言っているのか分からない。

・大人は、子供たちが分かっていると思い、言っているが、子供たちは理解できていない。
 指導者が、ただギャーギャー言っていると思っている。

★「わかったか!」(マイナスの言葉)
★「はいの声が小さい」

・野球は一方通行の対応が多い。
 例えば、(大人)「わかったか!」
     (子供)「はい!」(※おそらく、わかっていない)

・野球は、試合前に整列する。
 日本発祥のスポーツは整列や礼がある。日本人特有の文化。

★マイナス言葉 ⇔ プラス言葉
・学校でマイナスの言葉を言われ、帰宅後に考え込んでいる子供に対して、子供と一緒に
 マイナスの言葉を笑い話や冗談に変えられるようサポートした。
・子供の方が、人間観察している。子供なりに気を使っている。

・マイナスの言葉や対応をプラスの言葉や対応に変えられるように持っていく。

・子供は、マイナスをさらに深く考え込んでしまう。
 その思考をプラスに変える手助けを大人がする必要がある。

・少年野球の試合は、第三者から見たら、異常な場所だと思う。
 指導者は常にマイナスの言葉を発している。
 ミーティングもしかり。

・同じ言葉でも、受け取り方や本人の考え方で、違う。
 同じ声掛けでも、目的によって、プラス・マイナスが逆転してしまう。

・子供たちへ、プラスの言葉をかけるとしても、
 受け取り方、タイミング、選び方を考えないと、うまくいかない。

・同じチームの親でも、指導者への見方が違ってしまう。
 指導者が、試合で必要以上の指示を出さず、子供たちに任せている。
 それに対して、子供たち自ら考える為、成長につながると考える親。
 勝つためには、指導者が指示サインを出すべきと、不満を言う親。

・プロ野球チームで監督が変わり、監督・コーチが練習中、選手に一切何も言わない。
 コーチは、選手のバッティング練習等を見て、メモをとるだけ。
 選手⇒何も言われず、不安にある⇒自ら、コーチに聞く⇒コーチはアドバイスをする。
 チームは好循環になった。選手が自ら考え、疑問やわからないことをコーチに聞く。
・的確な声掛けが、必ずしも子供のためになっているとは限らない。
 我慢して、見守ることも必要。

・勝利至上主義は、考えや視野は狭くなり、マイナスの言葉も多くなる。
 勝利至上主義を捨てると・・・
 ⇒ 相手チームのナイスプレイを素直に称賛することができる。
   プラスの言葉だけになる。マイナスの言葉がなくなる。イライラもなくなる。

・マイナスの言葉には、逆の言葉がある。プラスの言葉を覚える。
 大人には、言葉の引き出しが必要。
 プラスの言葉を伝える。⇒ 子供たちも喜ぶ。成長する。

・結局は、子供たちが育つ環境が大切。安全空間。安心空間。
・子供たちにプラスの言葉をすり込む。思い込み。

●「やれば、できるじゃない。」
 小学校低学年には効果的。
・「ほめる」「認める」と、その子は、仲間や他人をほめて、認めるようになる。
・プラスの言葉もマイナスの言葉も伝染する。

●「大丈夫、大丈夫」 
・子供が信頼する大人の、プラスの言葉は大切。
 大人の意識の持ち方、考え方。
・監督が不安そうにしていると、選手も不安になる。不思議と伝染する。

■大人たちの言葉や行動

・気になる大人たちの言葉、声掛け
 ある少年野球チーム
 コーチが、OBコーチ(監督経験者)とお父さんコーチを合わせて
 常に10人以上、協力してくれている。
 半分以上がOBコーチで、子供たちへの声のかけ方や言い方が十人十色。
 練習で、子供たちが上手にできないと、一球一球声をかける。
 「そこが違う。今のはこう打つんだ!」
 言う人は、試合でも練習でも変わらない。
 ノックをしていても、イライラしながら打っている。

 監督方針を説明して、ある程度は理解をしてくれているが、
 いざとなると、つい口を出してしまうようである。

 OBコーチは、歴代の監督が多い。

・あるチームは、試合結果に対して、現監督が前監督に謝っていた。
 子供たちにも謝らせていた。
 御大のように、頭が上がらない人がいる。

・(監督経験者)
 コーチに気を使い、ストレスを感じた。更に母親同士もゴタゴタに
 なり、旨く回らなかった。

・ある試合での出来事(監督の災難)
 大会で、予選リーグで3チームが勝敗同じ。ルールが曖昧だったのもあるが、
 決勝リーグに進めず。親が納得せず、何故と問い詰められたことがあった。
 
 ⇒ 子供たちに見聞きされてしまう。
   子供たちは周りの様子をよく見ている。
   ましてや、グランド以外の家庭でも、マイナスの言葉を親から聞かされたら・・・
   その言葉を聞いた子供は、練習で監督やコーチの言うことをきかなくなると思う。

・親が指導者批判をした際、子供から異を唱えられたら、親はぐうの音も出ない。

■子供たちに聞いた、嫌な言葉と良い言葉
・嫌な言葉
「何やっているんだよ」
「へたくそ」
「何回言ったら、わかるんだよ」
「早く風呂入れ」
「宿題やれ」
「早く寝ろ」
「早く起きろ」
「ばーか」
「ふざけるな」

・良い言葉
「前より良くなったな」
「お前、すげぇーな」
「ありがとう」
「お前は、このままやっていけば、いいことあるよ」
「(試合で)お前は、いつも通りやればいいよ」