日別アーカイブ: 2015年2月2日

優先順位・・・

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小・中学生指導者が、
土日祝日は朝8時から夜遅くまで練習をして
平日は毎晩素振りやトレーニングをしていると言う。

「あとはどんなトレーニングをしたら良いですか?」

この質問をされるたびに

答えは、的外れの
「何もしなくていいです!」

大抵の方は間違いなく
ズッコケます(笑)

ほとんどの指導者は
「俺が子どもの頃はこのくらいの練習をした」は
高校時代の話が基準になっています。

なぜそんなに細い体をした子ども達に
長時間の運動を求めるのか、理解が出来ませんが

多くの方が、子ども達の苦しい顔が
「頑張っている証」なのでしょう。

「勝ちたい一心」

確かにこの時期は練習すればするほど成果があがります。
そしてチームは強くなり
大人は充実感でいっぱいになります。

そこに大きな落とし穴・・・
骨も柔らかいし、筋肉も柔らかいので
長時間練習も、豊富な試合数もこなせる子ども。

多少の痛みがあっても

「大丈夫?」と聞けば
『大丈夫!』と答えます。

オーバーワークになり、肘・肩を壊す子ども。

なかなか変わらない理由は簡単で

「一生懸命やって何が悪いの?」
「勝つことによって喜びを与えたい」など

「子どものために」と考えているから、
本質が見えにくい状況が続いています。

すべてが「今」であり
「先」を見据えていない現実。

今、結果を求めるのか
それとも少し先を見据えて
子どもの持っている能力を最大限引き出すのか。

今さえ良ければ良い人は
朝から晩まで練習すれば良いでしょう。

長時間の練習によって技術のレベルアップを目指すより

筋肉や骨の発達を優先させたい。
運動能力や運動神経を磨くことを優先させたい。
楽しいと思える土台作りを優先させたい。

勝ちたい一心は、見えるものを見えなくさせてしまいます。
子どもが関わる環境は、もっと余裕が欲しく

空いてる時間は、友達と遊べば良い。
勉強すれば良い。
そして、家族と過ごす時間を大切にして欲しい。

命には限りがあるのです。

時代は逆行していて
ジュニアチーム強化を試合数で追い求めたり
年齢別の世界大会を目指したりすることが
野球界の育成と発展に繋がるとは思えません。

トーナメントや試合に参加しないで
先を見据えた育成重視の方針であれば
大賛成です。

戦争や紛争と勝利至上主義を比較することは
不謹慎ですが、それは弱い立場の人が巻き込まれ
辛い思いをする共通点があると感じます。