月別アーカイブ: 2009年8月

運動能力について考える

子供の野球スクールに携わりながら想う事があります。
それは子供の「体」の変化について!

指導のテーマは「身のこなし方」!
しかし、この「身のこなし方」に異変を感じます。

前転・後転・側転が上手に出来ません。
跳び箱・飛び込み前転・開脚前転に到っては危機感さえ感じます。
逆上がりができない子供が増加しています。

そして、体が固いのです。
股関節の硬さだけではなく筋肉の硬さも目に付きます。

この二点は決して野球だけではなく
子供達の運動能力低下に大きな影響があると考えています。

その原因は?

・学校体育の崩壊
  スポーツより勉強
  競争意識(順番)を植え付けない
  怪我をさせたら大変
  授業数の減少
  必修科目から選択科目へ移行

・種目の固定化
  野球だけ、サッカーだけ

・指導者、親の問題
  長時間練習
  精神的圧力のかけ過ぎ
  技術の早熟
  過保護
  運動嫌いな子供を増やしている
  コミュニケーション不足

その解決策は?

子供は、そもそも飛んだり跳ねたりするのが大好きです。
しかし「楽しくない」とその身のこなしをしなくなります。
精神的にも「怒鳴られてばかり」だと萎縮してしまい同じ傾向になります。

「飛ぶ」「跳ねる」は子供の運動能力に大きく関わってきます。
「いかに上手に遊ばせるか」が運動能力の差として現れます。

野球チームであれば勝負はウォーミングアップです!
マット運動能力と野球技術能力は一致します。

逆に運動能力が高ければ、あまり技術を教える必要はありません。
手取り足取りも必要かもしれませんが
「勝手に上手くなる選手」を増やしていくべきでしょう!

勝った負けた
大人がのめり込む

そんな事は後回しで良いのです。

優先すべきは子供の運動能力を向上させることです。
技術は後からついてきます!

将来大きな花を咲かせるためにも・・・
「子供の体」について考える時間が必要です。

その事に気が付けば
子供に対してのオーバーワークの恐さに気が付くでしょう!
なぜ子供が肘・肩を痛めるのか理解できるでしょう!

少年野球に携わっている指導者の方が
「朝から晩まで練習しています!」
「毎日夜間練習をしています!」

と自信満々で言う方もいますが、私はその瞬間に心が痛むだけです。

失敗してもいいんだよ♪

講師を務めていただいた大川さん・福地さんは
本当に厳しい世界を歩んできた方々です。

「成功体験もちょっとはしたけど、失敗体験の数は凄いよ!」
私より4才年上の二方は、口を揃えて熱く語ってくれます。

大川さんにはプロ野球を引退した後にマスターズリーグや
野球スクールなどで大変お世話になっています。

福地さんには、私がプロの世界に入れた大きな大きな
「きっかけ」を作っていただいた恩人です。

普段は穏やかそう?ですが「約束事」を守らないと
豹変するのを私は知っています(笑)
それは野球の「楽しさ」だけではなく
「怖さ」「厳しさ」「難しさ」を良く知っているからです。

この二人に睨まれたら私も「蛇に睨まれた蛙」状態です(笑)

福地さんとは同じ社会人チームに所属しました。
私が二十歳そこそこで生意気だった頃に移籍されてきました。
福地さんの野球に対する取り組みを見て「ハッ!」としました。
その練習量の多さに驚かされたのです。

キャンプでの指導に触れた方々からは

「シンプルでわかりやすい!」
「子供が安心してプレーできるように指導している」

などなど・・・大変好評をいただきました。

それは野球をトコトン追及してきたからこその技でしょう!
私達の年代は根性の精神の上に猛練習が乗っかっていました。
それで得る物もたくさんあります。
しかし子供達に指導する場合に無駄を省く必要があります。
何が必要で何が無駄か・・・

そう考えると一番伸びる時期に頭ごなしに怒鳴ったり
勝利至上主義に大きな問題があることに気が付かされます。

失敗しても

「大丈夫!大丈夫!」

空振りしても、いいスイングをしたら

「ナイススイング!今のでいいんだよ!」

結果だけでの判断は子供の能力を殺す場合もあります。
せっかく良い取り組みをしているのに・・・
もう少し我慢すれば結果は出るのに・・・

そのタイミングを大人が奪ってはいけません。

ある子供が言っていました。

「チームの監督にいつも怒られてばかりいるのに・・・
 失敗したのに褒められた!
 でもいつも何も言われない事でいっぱい注意された!」

子供なりの感想とは言え「深いなぁーと思ってしまいました。

南三陸町の皆さん☆

サマーキャンプ地の宮城県本吉郡の南三陸町!
地元の皆さんは、グランド内の練習だけではなく、飲み物から氷の準備
体験学習・バーベキューなどなど・・・
全てにおいて毎年お世話いただいております。

参加者の皆さんからいただく声の多くは
「南三陸町の方々に大変お世話になりました」
と言う御礼の言葉です。
心のこもった対応をしていただきました。

佐藤仁町長も開校式に毎年足を運んでくださいます。
宿泊施設の「平成の森」の皆さんにもご協力いただきました。
戸倉の漁協の皆様にもお盆の時期にも関わらず船を出していただいています。
何から何までお世話になりっぱなし!

今年から下記団体様より協賛いただきました。

JA南三陸 アグリスクール様
南三陸米地産地消推進協議会様
地域貢献倶楽部あきベェ様

厚く御礼申し上げます。

新鮮な野菜!   (甘さに驚きました)
柔らかい肉!   (柔らかさに感動しました)
おいしいおにぎり!(米が立っていました)

子供だけではなく大人も「美味い」と絶賛☆
その他にも細かな気配りありがとうございました。

私の恩師の教えの中に

「与えてもらう側」ではなく
「与えてあげる側」の人間になりなさい!

と言う言葉があります。

今の私に出来ること!
それは野球での「恩返し」です。

自分の利益優先で「人」を大切にしない人がいます。
このキャンプを通じて

大人と子供に関係なくすべての人に
「人と人の繋がりの大切さ」を改めて再確認しました。

キャンプのテーマは軸作り!

「目に見えない軸をどう意識するか」

しかもその軸は太い物ではなく、細ければ細いほど
バランス能力が高まります。

参加してくれた子供達全員が「地下足袋」を履き
ウォーミングアップからその意識を高めました。

「真っ直ぐに立つ」

この事の重要性に気が付いてくれたと思います。
子供達の口から「拇指球、拇指球」という言葉が出ていました♪
立ち方が変われば野球が変ります!

真っ直ぐに立てないのに
間違った練習を長時間しても・・・

キャンプ報告☆


「2009サマーキャンプin南三陸」閉校式にて

今年はお盆・高速割引料金の影響を受け、車が大渋滞しました。
埼玉スクールから参加した斎藤さん親子は
埼玉を早朝4時に出発しましたが、南三陸に到着したのが午後3時!
帰りは南三陸午後4時出発で埼玉到着が夜中の2時!
行きが11時間!帰りが10時間!
成田からロサンゼルスを往復したような感じがします(^^;)

中には一人で新幹線に乗ってきた子供もいます。
親元を初めて離れた子供もいます。

その行動力には脱帽です。
親が「自立」を望み、子がその壁を乗り越える・・・

素晴らしい親子関係だと思います。

今回のキャンプで感じたことは
携わっていただいた全ての人が「野球を愛しているなぁーと言う点で
「野球が好きで好きでたまらない」と言った感覚です。

「子供のために・・・」

このキャンプの主役は子供たちです。
その事を本当に理解されている人の集まりでした。

父兄の皆さんに大きな力をいただきました。
主催側の不手際が多々ある中、率先してお手伝いをいただきました。
感謝の気持ちでいっぱいです。

講師の大川・福地さんにも魂のこもった指導をしていただきました。
子供達から「楽しかった」と言う言葉を耳にすることができました。

「楽しかった」

この言葉は何よりも重い言葉です。

地元の関係者の方々も
「子供たちに喜んでもらえて良かった」と嬉しそうに話してくれました。

皆さんから御礼の連絡をいただきましたが
御礼を言うのは我々の方です。

関係者の皆さんの力がなければこのキャンプは成り立ちません。
ご理解とご協力に深く感謝申し上げます。