日別アーカイブ: 2012年6月21日

意識する難しさ…

この動画を見ると、ボールが指先から離れると
手のひらが、一瞬外を向くことが理解できます。

しかし、投げている本人は、まったく意識せずに
指先を真っ直ぐに向けて腕を振っているだけです。

カメラが発達したおかげで、この動作は
ずいぶん広がり、多くの方がすでにご存じだと思います。

この自然に捻る動作は、無意識によるもので、
この部分を意識すると、間違って理解してしまう
子どもが少なくありません。

「ほら、見て見な!
 ひねってるだろ!
 だから、ひねるんだよ!」

同じように、「肘を前に出す」という指導や
「胸を張って投げる」という動作も
同じ事が言えると思います。

その一瞬の動作を、写真で見ると
確かにそのようになっていますが

プロ野球選手のほとんどは、まったく逆で

「肘を出さないように」
「肘を使わないように」

意識しています。
感覚と動きは、誤差が生じるのが通常です。

指導させていただき、心掛けたい
あるいは、目指すべき技術指導は

「気が付かないうち直してしまう」
と言う点です。

ただし、習慣や心構えを身に着けるためには
「意識」することを怠っては、進歩がありません。

意識させる点
意識させない点

子どもに対して、いかにシンプルに
「伝える」ことが出来るか…

試合中、ピッチャーやバッター、守備の選手に対して
一球一球叫んで「あ~しろ!こ~しろ!」
と指導している方がいますが

そこは「無意識の世界」です。
体が、動くはずがありません。

「走れ!」と言ったら、動きは一瞬止まるのが
人間の特徴です。

熱い声援は、能力の高い選手ほど
「うるさい」と感じるものではないでしょうか?