月別アーカイブ: 2011年11月

大人の物差し・・・

長く野球に関わらせていただき、
ありがたい気持ちでいっぱいです。

選手には「素直な性格」を求める指導者がほとんどです。
私も、そう思います。

ただ・・・

素直さって何でしょう?

「あいつは俺の言うことを聞かない」×「生意気」
=素直じゃない!

その判断は、間違っていることだけは確かです。

日本ハムの中田翔選手は、
入団当初から「人間性」を問われてきました。

「あいつは人の言うことを聞かない」

しかし、私も尊敬する水上善雄さんとの出会いにより
考え方が変わり、大きく成長・・・
結果が付いてきました。

大人の世界、ましてやプロの世界でも
この手の話は日常茶飯事です。

子どもの世界でも・・・
「教えたのに、教えた通りにやらない」と、怒鳴ったり
「言うことを聞かないから、あいつは使えない」と言ったような
レッテルを張りたがるのは、大人の物差しでしかありません。

「信頼関係」

大人と子どもであっても、信頼関係は欠かせません。
中田選手と水上さんとの間に生まれたのは
間違いなく信頼関係です。

指導者は「教える側」
子どもは「教わる側」と言う認識は間違ってはいませんが、
その立場は、めまぐるしく変化します。
もしかしたら50%・50%かもしれません。

私の仲間は
「もしかしたら、子どもから教えてもらう方が多いかも」
と、口をそろえて言います。
この考え方・姿勢は、指導に直接反映されるでしょう!

子どもに対して、「人の話はよく聞け!」と大人は言いますが
一番人の話を聞かないといけないのは
私達大人のような気がします。

大人が人の話を聞かないのは、自分の考えがあるからで
もしかしたら、子どもにも、大切にしている自分の考えがあるのかもしれません。

野球を大切に・・・
子ども達を大切に・・・

今日も「野球の楽しさ」を子どもたちに伝えられるよう
思考錯誤を楽しみたいと思います。

全員野球を目指して・・・

セリーグは、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを
落合監督率いる中日ドラゴンズが勝ち上がり
パリーグの覇者、福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズが
11月12日から、いよいよ始まります。

ヤクルトとの戦いを終えたあとの、勝利監督インタビューで

「チームの誰か一人が欠けても、勝てなかった」

そんな言葉を口にしました。

この言葉は、本当に重く
コーチ、選手はもちろんですが、
必死に支えてきたチームスタッフ、裏方さんの苦労が
この言葉で報われるような気がしました。

アマチュア精神としても
目指すべきところは、このポイントではないでしょうか?

チームに必要のない子どもは、いないはずです。
特に少年野球は「全員野球」を目指すべきではないでしょうか?

真逆?

「楽しもう」と言うと、

「甘い!」
「もっと厳しくすべき!」

と思う人がほとんどだと思います。

だから、怒鳴りたくないけど、仕方なく怒鳴っている・・・
そんな方程式が成り立ちます。

実際に怒鳴っているチームが厳しいかと言うと、
私はまったくそうは感じません。

プレーの瞬間や、結果しか見ていないので
大切な前後が見えなくなっているような気がします。

子ども達のプレー以前に
グランドへ来るのに、自宅からスパイクを履いて来たり
グラブの置き方
ユニホームの着こなし
道具の手入れ
ベンチでの様子
野球に向き合う姿勢・・・

見過ごしていることがたくさんあるのに
そこはあまり気にならないようで
とにかく「勝つこと」を目指します。

子ども達のプレー以前に
私が考える「厳しさ」とは、大人が自分を「律する力」です。
グランドでタバコを吸ったり、自分がやることもやらないで、
子ども達ばかりに求めることに、納得がいきません。

指導すべき点で指導せず
叱るべきポイントを見過ごしてしまい
放っておけば良い点に、口を出し
子ども達のやる気を奪い、楽しさを奪っている・・・

そして、指導が一貫しません。
それが怒鳴っているチームの特徴です。

ただ・・・
ユニホームを脱ぐと、皆さん良い人ばかり・・・(^^;)
ここが厄介です。

「きっかけ塾」のお知らせ

震災後から開催を見送っていた「きっかけ塾」を
再スタートさせていただきます。

開催要望をいただきながら、再開が遅れましたことを
この場をお借りし、お詫び申し上げます。

詳細は以下の通りです。

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

日 時 : 12月18日(日)
       午前10時~午後4時30分

場 所 : 鴻巣市文化センター 「クレアこうのす」 
       3F 中会議室
       埼玉県鴻巣市中央29番1号 048-540-0540

講 師 : 大川 章 (元ヤクルトスワローズ投手)
       佐藤 洋 (元読売巨人軍内野手)

その他 : 参加料、タイムスケジュール、申込み方法につきましては
       後日改めてお知らせ致します。

年の瀬のお忙しい時期と思われますが、
皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

判断力・・・


(名コーチ&名司会者のミスターXさん)

 

ある日の試合・・・

ランナーに出ていた子どもが、パスボールで走りかけた瞬間
ベンチから指導者が、大きな声で

「走れーーーーー!」

せっかく走ろうとした子どもは
その声にビックリして、体が固まって走れなくなりました。

普段から怒鳴られていると、
わかりやすい形で答えは出るのですが、ベンチに戻ると
「なんで走らないんだ」と、また怒られる始末・・・(^^;)

やる気を失うだけでなく、判断力まで奪われてしまいます。
そのことに気が付かないのは???

子ども達は「感謝しろ」と言う言葉で押さえつけられて
言いたいことも言えず、我慢の連続の中での野球は
まだまだ早すぎで、「心」の成長に影響が出てしまいます。

この時期だからこそ「楽しむ」と言う
大きな大きな土台が必要です。

「厳しさ」と「怒鳴ること」は、まったくの別物です。