意外な結果(^^;)

埼玉スクールの子供達にアンケートを取りました。

質問内容は
「お父さん、お母さん、じいちゃん、ばあちゃんが
 練習や試合を毎日見に来て欲しい人?」

「・・・・・」

一人だけ手を挙げました!

「じゃあ、来て欲しくない人?」

結果はその他全員手を挙げました。

「まぁ、たまになら来てもいいかなぁ~って思う人?」

それでも3割くらいの子供達しか手を挙げませんでした。

「来て欲しくない人は、なぜ来て欲しくないの?」

答えは・・・

「うるさい」
「文句ばっかり言われる」
「説教される」
「集中できない」

それを聞いていた父兄の皆さんは、全身から力が抜けていました(笑)
細心の注意を払って、楽しい空気を作ってから聞いたので
自宅に戻って説教された子供はいないでしょう(笑)

親は子供の為にと思って声を掛けているのに
その対象の子供達の本心は・・・(^^;)

「それも子供の成長には必要」と思う自分もいますが
「子供の本心を聞いてショックを受けた自分」も存在します。

「子供の心を掴むこと」
「信頼関係を築くこと」

これは至難の業ですね。
あー頭が痛くなってきました(^^;)

あくまで埼玉のスクール生の話ですが
「さぁ、明日も頑張るぞ!」と言って帰ったお父さんの背中が
何だかとても小さく、哀愁が漂って見えました(笑)

少年野球という迷路!



先日の24時間テレビの実話のドラマを見ました。
癌に侵された子供が母親に対して言ったセリフ!
この言葉が頭から離れません。

「お母さん!僕は何のため生まれてきたの?」

母親は即座に答えられませんでした。

しかし・・・
「その答えは人に聞くことではなく自分で見つけるものでしょ!」
と母親が涙ながらに訴えました。

亡くなる直前に

「お母さん!答えを見つけたよ!
 僕は家族を愛するために生まれてきたんだね!」

「ハッ」とした瞬間です。

今更ですが「野球はひとつの手段」にすぎないのでは?

野球を始める初期の頃、親は何を子供に望みましたか?
指導者になりたての頃、どんな指導者になりたいと思いましたか?

「明るく健康で大好きな野球を楽しんで欲しい」と願いました。
「仲間をたくさん作って欲しい」と願いました。
「ルールや団体行動を身に付けて欲しい」と願いました。
「あわよくば甲子園に行って、プロ野球選手に(を)・・・」と言うのは
最後の最後の位置づけだったはずです。

しかし、現実はその順序が逆転してしまっています。

子供達が中心に動いていかなければいけない少年野球が
いつしか親や指導者が中心に動いてしまっています。

その「のめり込み」は異常な世界です!

親の役目はなんでしょう?
試合に熱くなり、子供を追いかけることでしょうか?

母親なら自宅に早めに戻って
風呂を沸かしたり、食事の用意をしたりするのが優先です。

子供と一緒に帰りが遅くなり、何も用意できないから
風呂はシャワー!
夕飯は外食!
あるいはお腹のすいた子供を
長時間待たせる場合もあるでしょう!

この事も子供が主役から降りているひとつの現象で
「のめり込み」に気が付いていないだけです。

帰ってきたら、すぐに道具の手入れ!
そしてすぐに風呂!
時間をあまり空けずに夕飯!

空いた時間を宿題や勉強に当てたり、反復練習をしたり・・・
疲れた体を癒すためにも早く寝させてあげましょう!

早めに食事を済ませれば、また夜にお腹が空いて
夜食だって欲しがるかもしれません。

いやぁー
今日のブログはいつにも増して、敵を作りそうな内容です(^^;)

挨拶って?

先日、ある選手のビデオを見させてもらい
試合における動きの確認をしていました。

「順調!順調!」と安堵の気持ちで会話をしていると
たまたまそのタイミングで流れていたのが、試合後の挨拶の瞬間でした。

「おや?」

バラバラで子供達の心が「ひとつ」になっていません。
その品のなさには相当驚きました。
「ダラダラ」です!
スクールではきっちり挨拶の出来る子供なんですが・・・

ビデオを見てその子供のプレースタイルではなく
「チームの環境の悪さ」が気になりました。

私:「いつもこんな感じなの?」
子:「あーはい!」

私:「何も言われない?」
子:「いつも怒られます!」

母親に聞くと「しっかりやれ!」といつも怒鳴られているそうです。

私:「どうやったらいいかわかる?」
子:「わかりません!」

怒られてはいるものの、怒られるだけで何も指導されていません。

私:「その監督さんと××君は朝グランドで会ったらあいさつするの?」
子:「あんまりしません!」

私:「その監督さんとお母さんはどうですか?」
母:「基本、無視です!」

私:「なるほどー

日本人にとって「挨拶」は大切な文化です。
いや、世界共通・・・

私達はいろいろな挨拶を相手によって使い分けています。
国によってもその挨拶の仕方は異なります。
挙手、お辞儀、握手、抱擁、キスなどなど・・・

それが出来なかったり、使い方を間違えると
社会では「否定」されてしまいます。

大きな組織で動いている人ほど

「挨拶は人間の基本だ!」
「挨拶の出来ない人間は信用できない!」

スポーツの世界でも

「礼で始まり礼で終わる」と言われるように
武道精神やスポーツマン精神を大切にしています。

入学や入社試験の面接も挨拶を重視するでしょう!

挨拶をしないと対人関係が崩壊します。
それは人間として「存在」を否定されることに繋がってしまいます。

挨拶はするものの、素っ気ないと
「あいつは無愛想だ!」とこれまた否定!

挨拶はするものの、笑顔がないと
「あいつは暗い!」とまたまた否定!

生きて行く上で、「いかに上手に挨拶できるか」が
大きなポイントとなります。

しかし、こんな難しい御託を並べても子供には難しいでしょう!

本来は「挨拶するのは当たり前の世界」です。
挨拶するのに説明は要らないと思います。
心で自然に感じるものです。

しかし、残念ながら説明しないとわからない子供がいるのも事実です。

「挨拶したのに挨拶されなかったどうだ?」

「皆でバラバラの挨拶と綺麗に揃って挨拶するのとどっちがカッコイイ?」

「大きな声と小さな声ではどっちが相手に気持ちが伝わる?」

そんな話から大人が身をもって挨拶する姿を子供に見せるべきです!

一日の始まりの挨拶!
一日の終わりの挨拶!

親子であっても必要です。

それが野球のプレーに繋がるところに
野球の「深さ」があるのではないでしょうか?

皆さんはどう子供達に伝えていますか?

運動能力について考える

子供の野球スクールに携わりながら想う事があります。
それは子供の「体」の変化について!

指導のテーマは「身のこなし方」!
しかし、この「身のこなし方」に異変を感じます。

前転・後転・側転が上手に出来ません。
跳び箱・飛び込み前転・開脚前転に到っては危機感さえ感じます。
逆上がりができない子供が増加しています。

そして、体が固いのです。
股関節の硬さだけではなく筋肉の硬さも目に付きます。

この二点は決して野球だけではなく
子供達の運動能力低下に大きな影響があると考えています。

その原因は?

・学校体育の崩壊
  スポーツより勉強
  競争意識(順番)を植え付けない
  怪我をさせたら大変
  授業数の減少
  必修科目から選択科目へ移行

・種目の固定化
  野球だけ、サッカーだけ

・指導者、親の問題
  長時間練習
  精神的圧力のかけ過ぎ
  技術の早熟
  過保護
  運動嫌いな子供を増やしている
  コミュニケーション不足

その解決策は?

子供は、そもそも飛んだり跳ねたりするのが大好きです。
しかし「楽しくない」とその身のこなしをしなくなります。
精神的にも「怒鳴られてばかり」だと萎縮してしまい同じ傾向になります。

「飛ぶ」「跳ねる」は子供の運動能力に大きく関わってきます。
「いかに上手に遊ばせるか」が運動能力の差として現れます。

野球チームであれば勝負はウォーミングアップです!
マット運動能力と野球技術能力は一致します。

逆に運動能力が高ければ、あまり技術を教える必要はありません。
手取り足取りも必要かもしれませんが
「勝手に上手くなる選手」を増やしていくべきでしょう!

勝った負けた
大人がのめり込む

そんな事は後回しで良いのです。

優先すべきは子供の運動能力を向上させることです。
技術は後からついてきます!

将来大きな花を咲かせるためにも・・・
「子供の体」について考える時間が必要です。

その事に気が付けば
子供に対してのオーバーワークの恐さに気が付くでしょう!
なぜ子供が肘・肩を痛めるのか理解できるでしょう!

少年野球に携わっている指導者の方が
「朝から晩まで練習しています!」
「毎日夜間練習をしています!」

と自信満々で言う方もいますが、私はその瞬間に心が痛むだけです。

失敗してもいいんだよ♪

講師を務めていただいた大川さん・福地さんは
本当に厳しい世界を歩んできた方々です。

「成功体験もちょっとはしたけど、失敗体験の数は凄いよ!」
私より4才年上の二方は、口を揃えて熱く語ってくれます。

大川さんにはプロ野球を引退した後にマスターズリーグや
野球スクールなどで大変お世話になっています。

福地さんには、私がプロの世界に入れた大きな大きな
「きっかけ」を作っていただいた恩人です。

普段は穏やかそう?ですが「約束事」を守らないと
豹変するのを私は知っています(笑)
それは野球の「楽しさ」だけではなく
「怖さ」「厳しさ」「難しさ」を良く知っているからです。

この二人に睨まれたら私も「蛇に睨まれた蛙」状態です(笑)

福地さんとは同じ社会人チームに所属しました。
私が二十歳そこそこで生意気だった頃に移籍されてきました。
福地さんの野球に対する取り組みを見て「ハッ!」としました。
その練習量の多さに驚かされたのです。

キャンプでの指導に触れた方々からは

「シンプルでわかりやすい!」
「子供が安心してプレーできるように指導している」

などなど・・・大変好評をいただきました。

それは野球をトコトン追及してきたからこその技でしょう!
私達の年代は根性の精神の上に猛練習が乗っかっていました。
それで得る物もたくさんあります。
しかし子供達に指導する場合に無駄を省く必要があります。
何が必要で何が無駄か・・・

そう考えると一番伸びる時期に頭ごなしに怒鳴ったり
勝利至上主義に大きな問題があることに気が付かされます。

失敗しても

「大丈夫!大丈夫!」

空振りしても、いいスイングをしたら

「ナイススイング!今のでいいんだよ!」

結果だけでの判断は子供の能力を殺す場合もあります。
せっかく良い取り組みをしているのに・・・
もう少し我慢すれば結果は出るのに・・・

そのタイミングを大人が奪ってはいけません。

ある子供が言っていました。

「チームの監督にいつも怒られてばかりいるのに・・・
 失敗したのに褒められた!
 でもいつも何も言われない事でいっぱい注意された!」

子供なりの感想とは言え「深いなぁーと思ってしまいました。